世間体について

母親である「おまっちゃん」は、アルツハイマー型認知症と診断されてから早くも5年ほどたつ

元々社交的で愛車に友人を乗せどこでも行く人であった

なので、散歩がてら気晴らしに友人宅に行くと言って、今でも外出する

1年ほど前には、とうとう帰りの方角が分からなくなり、警察にお世話になった

それまでも、少々危なっかしいかったので、携帯電話だけでなくGPSも別に持たせる提案を父親にしてみたが

「大丈夫!だ」の一点張りで全く耳を貸さなかったが、

その一件で、父親は、あっさり了承し、今は進んで毎日充電やら朝起きたらGPSを首から下げたりと

かいがいしく世話している

そのかいあってか、時々叔父に登場してもらうが、その後大事にならず過ごしている

一度、警察に探してもらおうか?地域包括センターの方に応援頼もうか?となった時があったが、

父親は頑なに拒んだ。本当に頑なに。

腰が曲がり自転車こぐのも簡単でない身体なのに、

「今どのへんだ?」といい自転車で探しに出てしまうこともする

よほど人様に頼りたくないのだろう

 

何故か進行が遅く、いまだにまーまー普通な「おまっちゃん」は、家で夫とモソモソ生活するより

元々介護施設で働いていた経験を活かし、ディサービス行くのはどうか。とケアマネと共に提案した

皆とおしゃべりしながらお手伝いも出来るし気晴らしにもなるしいいのではないかと。

そうすると本人である「おまっちゃん」より父親が猛烈に反対した

父「まだ大丈夫だ。お母さんは家でやることはある。そんなところ行く必要はない」

私「ディサービス行くのはお母さんなのに、なんでお父さんが断るわけ?お母さんには必要だと思わないの?」

断固と受け入れないというか理解しない

私はケアマネの前で散々父親と言い合いとなった

そしてケアマネ帰ったあとも更に言い合いし、元々きつい娘である私は

とうとう「早く死ね!くそジジイ」と言い放つ

酷い娘である(苦笑)

 

親の介護。

私の仕事であっても、実親に対しては寛容になれない

でもお客様にはちゃんと寛容になれる

不思議だ!

お客様にも「自分の親には、やさしくするのは無理よ 私も出来ないし」というと、皆さん安心するようである

 

話は戻して、

なぜ父親は頑なに拒むのだろう

人の世話になりたくないのか?でも娘や息子叔父には気軽に頼む

 

しばらくして気づいた

田舎独特の思考「世間体」を気にしているのだと

「ディサービスの車がくるようになった」

「徘徊で警察に厄介になったようだ」

「村内放送で放送されていた」

「ボケたらしい」

と噂になる

父親に聞いた。世間体を気にしているの?

「・・・・・・」

黙った!!

 

生まれた時から住む場所である。親戚も多いし、町内会でも長く交流している

にも拘わらず、というか、だから世間体を気にする

互いに知りすぎているから、そして毎日単調だからか噂話に花が咲く

隣の家とはかなり離れているのに、隣の様子を何故か知っているのが田舎の付き合い

昔は葬儀は町内会で協力して執り行った

協力しながら暮らしてきたはずなのに、あけすけにはならないのが

田舎で暮らすための暗黙のルールなのかもしれない

 

世間体とは?

私はいつも、「後ろ指さされない娘になりなさい」母親に言われた。

高校生で近所のファミレスでバイト始めたら「水商売」と怒られた

ファミレスのバイトでラストまで入り帰宅が夜遅くなると「夜遊びと近所から白い目で見られる」怒られた

大学行きたいというと、「女が学歴を持つと嫁に行けなくなる」と反対される

お座敷での正座しての挨拶の仕方を叩き込まれた

ジーパンで帰省したら、「そんなだらしのない服」と怒られた

その考えがとても息苦しかった。

全部、世間体を気にしての意見だった

私のためを思ったアドバイスではなかった

それがとても嫌だった

 

そう、田舎は世間体が全て!!

何とかして世間体を保ちたい

ギリギリまで世間体守りたい

今回父親の思考回路はそれが基本なのだと

母親のためを考えたオプションはないのだと理解した

私は愕然とした

 

私の思い通りになるはずもない高くそびえたつ親、そして自分の無力さを理解した瞬間だった

 

 

 

 

 

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