高齢のクライアントを多く支援している関係でお亡くなることに関わることが多い

もうすぐ5月だが、今年に入りすでに3件も関わっている

 

Aさんは施設で数年穏やかに過ごしていたが、急に食が細くなりそして食べなくなった

訪問医に見てもらっても体調が悪い感じでもなく、そしてだんだんうつらうつら眠る時間が増えてきた

老衰の兆候ではないかと見守ることになった ヒーリング音楽を耳元でかけてくれた 粋な計らいに感動した

10日ほどしてフェードアウトの如く眠ったまま逝ってしまった

90歳超えてなので大往生だ お疲れ様です

老衰で亡くなる姿はある意味美しいと感じた

身体共ども枯れるように終わる 自然の摂理に全うした姿だ

 

BさんCさんは、突然亡くなった

お風呂とベッド

どちらも心不全 急に心臓が止まってしまった様子

急な電話で知らせが来る

今回はどちらも妻が亡くなった 残されたのは夫

高齢夫婦の場合、どちらかと言うと夫のほうが介護度が高いケースが多い

妻がいたから何とか夫婦での生活が成り立っていたが、いなくなると途端に自宅で生活が難しくなるから厄介だ

葬儀段取り云々より、夫の生活をどうするかに苦心する

 

Cさん夫婦は子供もおらずお金がないという問題も抱えていた

このお金問題を整理するために、2年前に一旦関わり、今年に入り本格的に改革を着手したところだった

1週間前に訪問した際に「今亡くなると葬儀するお金もなく大変なことになるから、ちゃんと食べて健康でいてね」

と発破をかけた矢先の出来事だった

 

あ~ぁ、、、、、火葬するお金もない

 

夕方電話がかかってきて自宅に向かう車中でそんな心配が頭をめぐる

自宅で亡くなったので、救急車にも乗せられず警察案件となった 警察よりも先に到着したこともあり

耳がとてつもなく遠くそして足も悪く動けない夫の代りにいろいろな情報を伝えることになった

刑事さんの目は鋭い 鑑識はありとあらゆる情報を写真に収めていく

狭い市営住宅の部屋は、物も多く歩くスペースしかない

そこに 警官2名 鑑識 刑事 私 歩くのがやっとの夫 だ

ご遺体を運びだすにも荷物が邪魔する有様だった

理解力はあるものの耳の悪い夫に刑事さんはいろいろ早口で説明するが、理解半分の様子で

そのうち刑事さんも観念し最後は私に説明してくるようになった

お金の心配を口にすると、鋭い目をしていた刑事さんは本来の優しい目に戻り、

「役所の保護課に相談してみて」とアドバイスをして帰っていった

電話で呼び出されてから4時間後にやっと私も帰宅した 23時のことだった

 

翌日役所保護課に電話し訪問相談 葬祭費の保護を受ける手続きだ

夫は全く動けないし親族もいない

資料もあれこれ沢山出さないとならないが、既に私が集めて持っていたもの多数あったことが功をなしスムーズに手続を行う

火葬日も抑えてあるので待ったなしの状況だ

 

子供もいない、親族は同居する動けない配偶者のみ お金はその日暮らし

もし私が関わっていなかったら 残されたこの夫はどうなったのだろう

お金があるのかないのかも分からない中 葬儀の段取りもままならず

結果 役所に相談することになった場合、誰が保護課に申請に行くのだろう

 

今回1月から支援に入り家計状況を把握していたのが功をなし次なる行動をスムーズに起こすことができた

そして葬儀から相続までの流れも知っているから故に総合的な段取りをする

ケアマネージャーや地域包括支援センターを巻き込むことなく段取りが進んでいく

私の業務範囲だ

 

高齢者の生活には何が起こるか分からない

特に子供がいない親族がいない 独居

日頃からその方の生活情報を知り、事が起きた時に動く第三者がいるのといないのでは大きく状況が変わる

たぶん、いない時は担当しているケアマネージャーや地域包括支援センターに流れていくことだろう

専門家ではない分負担も多くなるはずだ

今回もそんな案件だった

今年から本格的に偶然関わったが この結末を思い返すと「縁」があったのだろう いつも感じる

 

「縁」は先に引き寄せるものなのかもしれない