後妻業
「後妻業」とは
高齢の資産家のシングル男性と再婚し後妻として、もしくは、籍は入れずとも内縁の妻として君臨し、その男性が死亡した際、合法的に財産を取る行為
本当に支え合う関係が一番だが、女性がしたたかに生き抜く術だとしてある意味感心する行為だと、思うところもある
それなりに賢いかも‥‥な
まっ、事件にならなければである
独居の84歳男性Aさんの支援をしている
親族曰く
だいぶ前から、飲み屋さんで知り合ったらしい「彼女さん」がいるはずだ というが、私が関わった時には全く気配はなかった
元々お酒が好きな方ではあったが、実の妹の一時同居を期に拍車がかかり
急性アルコール中毒で室内で倒れ、救急搬送された
小さな脳梗塞も起こしていて、認知機能が急激に低下していた
一時同居の妹も病気で長期入院をすることになり、面倒を見る人がいなくなった
仕方なく、足腰が悪い遠方に住む他の親族と連携し、入院からそのまま高齢者施設に入所することになった
そこで発覚したのが、預金だ その時点での残高は、数十万円
通帳の入出金記録はその方の生活記録だ その方の生活ぶりがあぶり出る 親族の了承を得ながら、確認すると
なんと2年前は、1,000万円近い預金があった
出金の状況を確認すると、数年間、1日置きの時もあれば数日おきに数万から数十万単位で引き出し続けられている
しかも、全て近くのコンビニエンスストアで都度手数料を払っている
自宅は公団で、とても質素な室内である 贅沢に暮らしていた気配はまるでない
逆に、年金収入も足されながらも1,000万円近いお金を2年間で使い切るほうが難しいのではないかと思うが、現状はすっかり消えている
と共に、彼女さんの姿も消えている
誰が主導でお金を下して何に使っていたのか、Aさんの記憶も定かでない今、真実を知ることができないのが私の性格上もどかしい
「後妻業」という文字が浮かんだ
入院して少し混乱していた時Aさんは「○○ちゃんは?」と「彼女さん」を探していたことから見ると
それなりに楽しく支えてくれていた交際だったんだろうと想像し、お金はすっかりなくなりそれなりの代償も大きいが
後妻業だろうがなんだろうが、老いらくの恋(もどき)も 終盤の人生に必要なエッセンスかもと思うに至る
後妻業女性に狙われる独居の高齢男性 それなりに居ると、ベテランのケアマネージャーも言う
あの彼女さん、もう次のターゲットに乗り換えているかもよ という笑い話で終わりにした
寂しい独居男性と生き抜く術と割り切る女性が互いに支え合う 高齢社会の現実
お金が底をつき、認知機能が怪しくなった途端ドロンといなくならなければ、それなりに素晴らしい仕組みでもあるが
女性のほうが一枚上手かな、仕方なし(苦笑)