絶縁される親(2)
ここのところ絶縁された親(シニア)をご支援することが続いている
どの方の問題も根深く、私は関係ない第三者だが とても滅入る
Aさん
疎遠だが子供はいる 親子は断絶していても 一応私からの連絡はつくのは幸いだ
そんな中Aさんは入院し亡くなった
子供は一度も病院に来ることはなかった あげくの果てに葬儀も納骨も来ることはなかった
必要な場合のサインなどの協力や葬儀の内容やお墓を決めるなどの意見は細かくメールで伝えてくれるが、実務は全てお任せで進んだ
こういうケースは年に数件あって毎度のことだが、お骨を拾うのも私だけ 納骨に参列も私だけという風景だ
親子絶縁して葬儀も納骨も人任せでも 相続人は相続人だ
そういう人に限ってまず借金の有無を聞いてくる
で借金が無いと分かると、面倒なところは人任せでも、相続財産はしっかりと引き取って行く
「あとはこちらでやります」と、無感情で書類をかき集める
そして 何故か態度は私を敵と言わんばかり 私悪者か 正直後味悪い
親子の問題に私は関係ない 他人でも優しい気持ちを持って最後の終いまでしているのに 嫌な思いしか残らない
絶縁を宣言している家族の根は本当に深い
子供は本当に親のことを恨んで恨んで、死んでも放置したことで仕返しとし やっと恨みを晴らすことにするのだろうか
そこまですると、清々しく穏やかで晴れ晴れしい気持ちが残るのか まだ足りないのか 聞いてみたい
Bさん
20年程前に長男家族と同居するためにバス便だけれど大きな中古住宅を購入した
どちらかというとBさん夫が中心に決めたところもあり、長男家族 特にお嫁さんは気に入っていなかったと後から知ったが後の祭りだ
親は長男家族と同居が当然と言う古い考えの元 親は敬われて大事にされるものという意識でいた Bさん夫婦
少し頑固で口煩いBさん夫が何かと長男夫婦に小言を言うようになり、次第に関係が悪くなった
終いには、お嫁さんとは挨拶すらしない関係となった
頼りたい長男はいつの間にか親に対しぶっきらぼうな態度になり取り付く島がない関係になった
同じ屋根の下に住みながらも、気が付いたら全く交流することが無くなって数年後 Bさん夫は亡くなった
残されたBさん妻
表向きは長男家族を同居していて安泰に見えるかもしれないが、実態はとても孤立だ 全く言葉を交わさないで一日が終わる
そんな母親の姿を見兼ねた娘家族が、同居を提案してきたのは 明るい兆しだが
新しい環境にも不安がのしかかるし、今までの自分達が築いてきたことが覆る悔しさ 蔑ろにされた思いは複雑だ
娘宅に転居を長男に伝えた時、あっさり了承 お嫁さんからは全く言葉はかけられないままだ
長男は後継ぎだ 親兄弟を支える役割と 昔からの習わしで揺るがないことだと信じ
長男だけはと何とか大学に行かせ、次男は経済的に難しかったこともあり我慢させた
老後は長男家族と同居は当然の流れだったし、そのためにリフォーム代は老後の貯金をつぎ込んだ
全てが順調だったのに いつの間にか全てが覆った
自分達が信じていたことが否定された 大事にもされず放り出されたと感じているのは自分だけか
娘宅に転居前日 Bさんは嘆いていた
こんな惨めな老後になるとは思いもしなかったと
娘もやその義息子とも上手くやれるかも分からない
リフォームに使った分貯金はないし、少ない年金だけが頼り
娘家族と折り合いが悪くなったら、それこそ最後だ と悲しく笑った顔が忘れられない