大学講師

今年で5年目になる大学講師

とはいっても招聘講師で、外部の知識を拝借しますという位置づけの講師

年に4日だけ 同じ内容で前期後期それぞれなので

半期2日×1.5Hずつ の担当だ

輪番制で分担して担当するので、通年で同じ招聘された講師で受け持つ

 

授業の目的は

学生にとって大きな関心事である就職

業界の様子を生で感じてもらうために、業界経験者が話したほうが臨場感あるだろうと

と取り入れることになったようだ

募集は新聞に挟まれたチラシだった

丁度起業したばかりで、時間も取れる環境となり、教員免許を持っているからか興味が湧いた

それなりに応募数があったみたいだが学長面接の末トントンと採用された

一般的な話ではなく、経験したからこその深い話が期待されるということが分かった

私の他に、出版・銀行・証券・航空会社・公務員・流通 など学生が興味持ちそうな業界経験者が選ばれている

 

私の講義内容は

「不動産業界と女性の活躍について」

1日目は、不動産業界の大枠と不動産が担う社会の役割

2日目は、なぜ私が不動産業界を選びそして今も関係ある仕事を続けているのか

を経験談交えて講義し、最後にレポートを書いてもらって終了する

この5年間で講義内容の大筋は変えていないが、構成を変えて集中して聞いてもらえるように工夫はしているつもりである

相手は20歳前後 息子の年齢より若くなってしまった

古臭い昔の話と思われてないか、とても気になる

昨年からラジオのDJ風に、質問をペンネームで書いて提出してもらい 2日目の授業の頭にその質問に応えることを始めた 一問一答式だ

どんなことでもペンネームなら気軽に参加してくれることが嬉しい

1方通行の授業はやはり寂しい 今年は半数の人が質問してくれた

・社内恋愛はありますか

・芸能人に会えますか

・資格は必要ですか

・不動産の仕事をしてきて良い点 悪い点

・人見知りでも営業はできますか

・ノルマは大変ですか

 

私が新卒で就職した時は、平成元年 バブル最高潮の時

男女雇用機会均等法で女性も総合職として採用され始めた時だった

そんな恩恵にあやかり、私は不動産会社に総合職として採用され、営業職を希望し

バブルの申し子である、リゾートマンションの開発営業の部署に配属され

毎週軽井沢、箱根、那須、伊豆高原へと出張し、

社内旅行は海外、運動会は東京ドーム クリスマス会は今は無き赤坂プリンスホテルの大広間で大騒ぎ

総合職営業でいろいろ任され、それなりに山あり谷ありで時に涙も流したこともあったが、

その経験が今の礎となっている

 

営業職は、女子学生には重責に映るようだ

ノルマに追われ一日外で押し売りしているようなイメージらしい

そんな一面そんな会社もあるかもしれないが

私にとっての営業の醍醐味は、夢を実現するお手伝いができることにある

人の生活の基本は、「衣・食・住」だと家庭科の授業で習った

不動産=住生活であり、

不動産営業職は、豊かな住生活を手にいれるためにお手伝いをするプロ

と私は不動産に関わってから今までずっと思っている

それを見失うと、ノルマだ目標に翻弄されて嫌な仕事になってしまうような気がしている

自分中心に考えると営業職は、重い仕事に見えるかもしれないが

相手中心に考えることでやりがいのある仕事に変わる

こんな話を学生にすると、不思議と目の色が変わるのが分かる

不動産は時代と共に変わる

時代を支えるのが不動産であり

財産であり生活の場であって、私たちとって不可欠なものなのだ

だからか軽々しく不動産を扱ってほしくないし不動産業を悪いイメージを持って欲しくない

そんな思いも伝えるようにしている

 

最初の1年目の受講者は10数名

授業の初めに自己紹介とマイブームを一人一人に発表してもらう時間が取れた

人数少なくても、話す方はとても緊張したり寝てる人がとても気になったりした

最初は今後も毎年続くのかどうか不安だったが

コロナでオンライン授業も経験しながら

受講者は毎年増え今では40名ほどとなり安定してきた

数年続けていると学生の雰囲気がその年によって随分違うことが分かるようになった

最初のころは「楽単(※楽な単元)」だから受講していたような雰囲気もあり緊張感は少なかった

しかし今年は緊張感がいつもとは違った

最後に出すレポートも皆意図を汲んでしっかり書かれていた

 

私自身、やっとこの講座の意義や手応えが感じられるようになった

話す内容は大きく変わることがないのが寂しいが、飽きられないよう工夫していこう

定年は65歳のようなので、まだ続けられるみたいだ

私は「ファイナンシャルプランナーで不動産取引実務経験のある社会福祉士」

をキャッチに今活動している

今までやってきたこと全てを糧に、プロとして生活のお手伝いをすることが私の使命としている

人生に無駄はない 何事も経験で引き出しの数と入れる物を増やすことで自ずと見えてくる

と学生にも話ながら、自問自答もしている

 

何気なく始まった講師だが、これも意味ある経験なのかもしれないな。。。。