傾聴できなかった
「同居のお嫁さんとの仲がこじれて居心地が悪くなった。どうしたら良いのか」という相談を受けた。
土地は姑、建物は息子夫婦と姑共有で、将来相続も絡むから「伴さんに相談すれば何かしらアドバイスくれるでしょう」
と紹介されることになったようだ。
というのも席につくまで何の話なのかは聞いていなかった。
「同居の嫁とかなり険悪でどうすればいいのか分からない」
とうとう嫁姑問題の相談までくるようになったかと、私は「何屋?か」と思いながら聞き入った。
相当深刻なのが伝わってきた。
まっ、古今東西嫁姑問題は今に始まったことではなく分かり切った普通に起こり得る問題である。
話進むにつれ、ことの発端はよくある話で、夫(息子)が間に挟まり右往左往で仕切できずにこじれているようである。
嫁の年齢はワタシより一回り下のようだ。
姑はワタシの母よりは一回り下くらいで、私は丁度年齢的にも立場的にも嫁に近い。
私は一応長男の嫁ではあるが、しばらく遠方を理由に顔も出していない。
また娘としてもいまだに親を大事にしようという意識に欠けている。
親との生活より自分で生活する年数が長い今、親との同居も絶対にありえない。帰省しても泊まることは無くなった。
そんな罪悪感はあるものの開き直って、
身内に対し心優しい人間ではないが、その分そのエネルギーを社会の役にたてようと奮闘することを決めて今がある。
そんな気持ちで姑側からの話を聞くと、どうしても嫁や娘の立場になって聴いてしまう。
傾聴の姿勢ではそういう聞き方はしない。同感せず共感が基本だ。
聞いていくうちにどうしてもどうしても嫁の気持ちになっていく。
自分が親や姑と同居したら、同じことになるだろうな~と容易に想像がつく。
ワタシも母親には散々悪態をついてきた過去がある。
実家を取り壊し、そこを建て替え同居が始まって数年。
姑の子供は全部で3人。
気持ちの中に、自分の相続時には出来る限り均等に分けてあげたい母心がつまっているところが温かい。
できれば、丸く収まり今まで通りわだかまりなく暮らせたらと願う気持ちが強い。
姑の気持ちは理解できるが、娘・嫁の立場で考えると複雑になる。
今時の嫁が婚家に従うわけもないからである。ワタシは絶対にできない。
姑が嫁の話をすると、どうしてもワタシのことを指摘され責められている気になった。
ワタシが悪い娘や嫁であるということを自覚しているからだろう。
反発心も何気に湧いてきて胸が締め付けられる気がした。
見立てでは、何事もなく丸く解決は難しいだろう。
とはいえ
同居を解消するには、要件諸々かなりハードルが高い。
しかし姑の老い先を思うと早く解消するほうが身のためであるが、どうしても母心が判断を鈍くしているようだ。無理もない。
無理無理、同居継続は無理~~~!!!!!!
ごめんなさい。傾聴の気持ちで寄り添い聴けませんでした。
仕事として反省しています。