アルコール
私はお酒が全く飲めない体質だ
でも乾杯のビールが格別なのは知っている 旨い
若い時はそれなりに飲めたが、とはいえビールジョッキ2~3杯がやっと
年齢を重ねるうちに肝臓も弱り、ついにコロナで飲み会が無くなったら本当に受け付けなくなってしまった
いまや、ビールは50㏄程度でも直ぐに顔は赤くなり、手の平や足の裏は痒くなる始末
それ以上飲んでしまうと、手足の関節がムズムズしてくるし、頭痛が翌日まで続くという症状が残るから不思議だ
日本酒は後から酔いが回るせいか、調子よく飲み過ぎてしまうと、帰りの電車から身体の中で悪さが始まり手に負えない
アルコールの分解は遺伝なので
まず、父親が全く飲めない 新年会でビール一口飲んで赤ら顔で帰宅し、直ぐに寝てしまう有様だった
そして、息子2人とも、同じく全く飲めない
勢い余って飲んでも、私と同じで後から散々体調を崩すようで飲まなくなった
飲み会と言って出かけても、素面で帰ってくる ビールの代りにジンジャーエール3杯飲んだと 可愛いもんだ
酒も飲まなきゃタバコも吸わない クリーンな家族だ
ということで、
今は私には悲しいかなアルコールが毒にしか見えない
なのでアルコールが手放せない特に高齢者のアルコールに対する執着は 依存=アルコール中毒 と見えてしまう
そこまで嵌るのは大概男性だ
Aさん
肺疾患を患い酸素ボンベが手放せないのに、酸素ボンベを搭載したシルバーカーを手押ししヨタヨタ酒を買いに行く
時にタクシーを呼んでいく まさに執念そのもの
少しでも歩くと息切れする 私なら徒歩5分で行ける距離を時に歩いて30分以上かけて買い出しに行く
大概、紙パックの日本酒と焼酎で 買うのはアルコールだけだ 重いのはシルバーカーに
100ミリリットルの小さな酒パックを2本ポケットに入れて帰りは必ず歩いて帰宅する
フーフー言いながら1歩1歩シルバーカーを押す
なんとか1/3位来たところで、花壇の淵で腰を下ろし休憩だ
そこでポケットから日本酒パックを出しストローでチュウチュウ飲みだす
いつものルーティンらしく散歩で乾いた喉を水で潤すように酒パックをストローで飲む
次第に饒舌になり機嫌がみるみるよくなり独り言が暴走する 素面の人間からすると痛々しい有様で
そして全く会話が成り立たなくなるからお手上げだ
奥さんの入院のこと、今後のこと 相談したくて来ているのに 何も耳には届かない
アルコールの威力の凄まじさ 依存の怖さ
奥さん緊急入院で容体も悪くなり自宅での生活ももう難しい もう家に戻るのは危険だから
どこか安心安全なところで生活すること考えようと提案するが
「お金がないから無理」の一点ばり
いやいやお金それなりにあることは知っているし、無きゃないなりにその気になればどうにかなる
が、お金を握っている夫は酒に支配されていて妻を思いやることが出来ない 自分中心だ 素面でもまともに判断できないが
アルコールが入ると更に難しい
妻を護ろうという意識がない 悲しい限りだ アルコールに支配され 気が大きくなっているから手に負えない
酒もタバコも依存性が高い そしてギャンブルもだ
酒たばこは嗜好品とはいえ、癌発症などの病気を含め人生を狂わすくらいの危険品だ
ギャンブルも違法適法問わず、依存症=病気 の温床と分かりきっているのに
耳障りの良い 「嗜好品」や「娯楽」 と言うから罪悪感が薄れる
高齢者と依存症
前頭葉の劣化で、理解力や判断能力が低下しブレーキが利かなくなる 若い人と違って 自力で止められなくなるから怖い
Aさんだけではない、似たような高齢男性は多く存在する そういえばBさんもいたな~
お金を握っている夫はどんな身体になってもお金をもっているからまだ安心だろう
そんな夫に長年寄り添ってきた妻はというと 大概自由なお金は持たされていない
そして酒をふんだんに買うお金を持つ勝手な夫はというと
妻の入院費も満足に払わず 安心安全な施設への入所も認めず 蔑ろにする 見るに堪えない有様だ
同じ女性として 妻として そして人間として
自分の人生を自分で支えられない 自立できない 生きざまの哀れさ 夫に左右される人生の不甲斐なさ
自立し力強く生き抜ける力を養うことの重要性を感じずにはいられない
酒におぼれる高齢者を見てそんなことを思う