高齢者と不動産

老老介護 子供のいない老夫婦の施設入所のお話

 

夫婦共有名義の所有マンションに住み 年金額は、2人で生活するにはギリギリな額 その他金融資産ほとんどない様子

質素に暮らしてきた様子が伺える室内だ

夫婦揃って親族とは全く疎遠である上に、特に妻は自分の両親も兄弟も知らない

先に妻の体調が悪くなり、認知機能も低下し 自宅で生活することがとうとう難しくなってきた

夫は献身的に妻も面倒を見てきたが、自分の体調も優れなくなり

また、自分自身の認知機能低下も感じだし、不安が強くなってきた

担当のケアマネジャーが、妻の施設入所を勧めた 特別養護老人ホームである

妻の特別養護老人ホーム入所に向けて、また残された夫の生活支援を、ケアマネジャーから相談を受け 早速伺った

 

施設入所の段取り以前に、相続時のこと、認知症と不動産売却のことが気になった

子供のいない夫婦の相続人は、配偶者と兄弟姉妹が相続人であり、また認知機能低下で判断能力がない場合、不動産の売却はできない

 

妻の認知症は進みつつある 施設入所したら認知症は更に加速するだろう

妻だけでなく、そのうち夫も施設入所になる時には その費用捻出のためにマンション売却する必要がでてくるかもしれない

その時マンションを売却しようとしても 先に施設入所した妻の認知機能が大幅に低下していたら売却できない 夫もしかりだ

住まないマンションは、管理費と固定資産税を垂れ流す「金食い虫と化」する 普通のコンクリートの塊ではないのだ

賃貸に出して賃料で賄うのも無理な話しだ

また、先に夫婦どちらかが亡くなった場合 相続人を探し判子を貰わないとマンションは売却することはできない

夫婦の相続人はいるのかいないのか、どこにいるのか分からない 仮に分かったとしても協力してくれるかどうかも分からない

いろいろ想像しただけでゾッとしてきた

 

安易に 今の生活を見て、介護が重くなったからと、妻だけ施設入所はなんとも危険だ

ケアマネジャーの視点からすると、施設入所しか見えていないのは仕方ないが

先の先のことまで見通したら、それでは近い将来 夫婦にとって身動き取れない状態になる可能性もなくはない

今なら妻も判断能力はあるし、字も書ける 古いマンションだが、今なら買い取ってくれる不動産業者も確認した

マンションを現金化し、お金の流れをシンプにし 生きたお金の使い方になるように改善し

そしてできれば夫婦揃って同じ施設に入所で生活が、ベターな流れかなと

イメージが湧いてきた

 

福祉、介護の側面からだけで高齢者を支援する限界危険をこのごろとても感じる

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