寄り添う

とあるケアマネージャーから突然電話の電話

利用者Aさんが公営住宅への転居することになり、引っ越しを2日後にして

契約がとん挫してしまい、どうしたらよいのかという話であった

 

その契約では緊急連絡先を登録する必要があると説明を受けていたらしく

Aさんは、家族様に寄り添ってきたケアマネージャーが二つ返事でなってくれると思い込んでいた

緊急連絡先登録には住民票や免許証のコピーを提出する

親身に寄り添ってきたといえ、ケアマネージャーは仕事なのでさすがに住民票の提出まではしない

と、本日の契約直前に断ることしかできず

身元保証会社の紹介などの相談に乗ってもらえないかという内容だった

 

と、これくらいの情報で何ができるのか分からないが、とりあえずAさんに電話をすることになった

 

引っ越し業者も手配し、今のアパート解約も済、準備万端なところに

あてにしていたケアマネージャーにあっさり断られ、首尾よくいかず 壁にぶちあたった

公営住宅に入居できて、この先の生活が安定すると安堵していた矢先

もしかしたら宿なしの事態になりかねない切羽詰まった不安が不安を呼び

すでに興奮状態であった

元々パニックになりやすい方だと後から聞いた

 

ケアマネージャーが住民票を出してくれない不平不満

世間は冷たい

住民票を出すのは簡単なことなのになぜできないのか

生活保護にならないようにがんばっても報われない自分

老人を金儲けでしか考えていない社会への不満

これからの生活不安

宿なしなったらどうしよう

親族からの冷遇

 

延々と続いた

しかも興奮しているからか機関銃である

気持ちの準備もないし会ったこともない初めての電話で、いくぶん気持ちしんどい

 

ケアマネージャーに

公営住宅に入るための緊急連絡先登録で個人の住民票を出すのは

絶対に無理なことである

そこは理解しようとしない

他の方法を冷静に考えようとしない

自分の描いた通り公営住宅を契約し、転居を実現しようとするために

声を荒げる手段を使う 脅迫まがいのセリフも言う

さわぐさわぐさわぐ

保証会社の話もするが、自分の落ち度でないことは損と思い頭に入らない

 

このように、自分で手に負えない事がおこると、興奮し怒り手に負えなくなるという高齢の方は多い

自分の不遇さを悶々と悩み不安になり冷静さを欠きパニックになる

理解の柔軟性も欠いているので

話し合いどころか、主張ばかりで言うことは堂々巡りでこちらのアドバイスは何を言っても耳に入らず

声を荒げ悪態をつき、人のせいにし自分は悪くないと 自分を護る気持ちに力が入りだす

脅し力づくで自分の意見を通そうとする

大なり小なり、高齢の方とのトラブルはこのようなケースが多いような気がしている

今回もまさにそのケース

ケアマネージャーさんは、介護のプランを立てるのが仕事にもかかわらず

このような方に専門外でも辛抱強く寄り添う姿をみかける

頭が下がる

 

延々と話をしたあと最後に言いだした

Aさん : で、あなたは何?

私 : 社会福祉士です

Aさん : 社会福祉士?は何をしてくれるの?話きくだけで何もしてくれないんでしょ

緊急連絡先になってくれるわけではないでしょ

私 : 解決に向けてのアイデアや相応のところを紹介してつなげるのが社会福祉士です

ずっとお話聞きながら他の方法がないか考えていたとことです

住宅公社に緊急連絡先のことを直接私から相談してみようと思います

連絡先教えてください

Aさん : じゃ、話して  電話番号は○○○―○○○〇

 

不動産の入居問題は得意分野である

この分野の交渉事は気安い

で、話してみると

何かあった時のための緊急連絡先があればいいとのこと

では、絶対に個人が入る必要はないはず

ケアマネージャーのいる事業所が緊急連絡先として登録はどうなのかと交渉してみたら

あっさりOKとなった

 

結果、全く難しい問題ではなかった

ケアマネージャーからの話では、「良い人に相談に乗ってもらった」

とAさんは喜んでいたそうだ

ケアマネージャーからも、「知らない分野なので助かりました」

と言っていただいた

 

餅は餅屋 適材適所 役割分担 連携プレー

結果オーライ 良かった!

 

とはいえモヤモヤも

後ろ向きの機関銃ごとく長い話につきあい、

そして電話も何か所かかけた甲斐があり、事が上手く進み成果はあったが、

実際はボランティア( ノД`)シクシク…

 

でも絶対この仕事立ち位置必要だよなとも実感できた

いつか大きな仕事につながる期待を胸に精進しよ!!