高齢者と熱中症
先日、以前に相続手続きのお手伝いした95歳独り暮らしの女性宅に、近くを通ったついでに伺った。
外は猛暑日、35度超えの暑い日だった
「こんにちは~お変わりないですか~」
ズカズカと上がり込み室内を見回した
テレビからは、音量高めの高校野球の試合中継が流れていた
マンション1階に住み、自立した生活を相変わらず送っている様子に安堵した
うっ?なんか暑いぞ?もしかして
エアコンがついていない 窓は閉めきられ、扇風機がブンブン回っているだけだった
「エアコンついてないじゃないの!外とても暑いよ 暑くないの?」
「暑くないよ。扇風機で充分だし」
「年齢いくと暑さ寒さの感じ方が鈍くなるみたいだから、我慢はダメですよ 熱中症になっちゃうよ」
「大丈夫よ・・・・・」
といいながら、「暑いでしょう」と私に気遣ってくれスイッチをいれた
しばし世間話をして様子を確認し、「エアコンは使わないと危険よ ちゃんと使ってくださいね」と言いながら
帰ったものの、多分自分から改善することはないだろうなと、無力さを感じるしかなかった
私の実家にはいまだにエアコンがない
茨城県の海沿いの平地で、朝晩はそれなりに気温はさがるものの日中の気温は都心と変わらない
私が幼い時は、30度超える日は数えるほどしかなく、朝晩は過ごしやすかったが
今は地球温暖化からか暑くなったとつくづく感じる
今、実家には、88歳の父と82歳の母が生活している
どんなにエアコンを付けたほうがいいと説得しても
「必要ない、暑くない 風が通るから涼しい」「いんねーいんねー」と頑なに拒む
喧嘩腰になってまで話しても頑なに拒む
特に父親が頑固だ!腹がたつほどである
毎年、夏を迎えるとこのやり取りが繰り返される
「私がお金出すからさっ」と言ったときもあった
今年も同様だったが、少し変わった
「オレは今年は入れたほうがいいか思ってお母さんに言ったら、お母さんがいらないと言うから入れられない」
なわけがない
母親は認知症でこの手の決定の主導権は父親だ
毎年ながら無力さを感じる
そして娘だからこその暴言で電話を切る「熱中症で死んでも知らないからね!!」
先日、生活支援をしている80歳代独居女性のお宅に伺った
その方から「私みたいな人沢山面倒みているのでしょう~大変でしょう~」
と温かいお言葉をいただいた
「いやいや沢山みていることは大変ではなく、何をアドバイスしても聞き入れてくれないことのほうが大変ですね~」
女性は苦笑いしながら
「年取ると、自分の考えが一番で人の話聞かなくなるからね~」
・・・あなたもその典型ですが・・・
介護サービスを拒み 動かないから足はむくみ、膝もいたくなり、冷蔵庫空っぽになるまで買い物もいかない生活に、唯一私を受け入れてくれたのを幸いに、定期的に連絡し様子を伺い食べ物届けたり、買い物支援をしている
やろうと思えば自分で行動できる状態なのにだ
高齢者は話を聞かないというか、
「○○だから○○しないとならない、そのためには○○の生活を○○に変えないといけない」という段階的で理論的な思考が低下する方が多いように感じる
この深い思考が途中で止まるから結局のところ、人の話は聞き入れられず自主的に行動できないのかな~と感じるこの頃である