独り暮らし高齢者の入院

ご支援している方が立て続けに入院した

 

病院の一番の関心事はどこも同じようだ

①入院費の支払

②もしもの時、直ぐに引き取りにきてくれる

③手術同意

という確約が欲しいのだろうと、どの病院もやり取りから感じる

 

1人目

女性 独居独身子供なし 保佐人=伴

入院手術となり、担当医から連絡が入る

手術同意書に保佐人のサインを求められた が、そもそも後見人には手術同意権はない と言ったら

医師は「そうなんですか!!」と驚いた

ということで、「手術について話を聞きました」というサインはしますと回答した

そもそも手術同意は本人しかできない

次になんと、甥に手術同意を求めるのはどうか?という話がきた

後見申立時に連絡を取ったが、何十年も会っていないし叔母の顔すら覚えていないという関係性である

後見人が医療同意書にサインしないからと、そんな甥に医療同意書にサイン求めて意味があるのだろうか

後見人がいる意味がない

結局、医師が本人に簡単に説明し、本人が了承したということで医師が代筆して同意書が成立した

手術は本人同意でしかないのが基本とはいえ

そもそも判断能力が保佐程度で、94歳と高齢 ましてや入院時は、体調も悪くせん妄も出ているくらい取り乱し熱もでている状況での

本人への説明と手術同意は的確なのか はなはだ疑問だが

手術同意は本人しかできないとなると、この方法がベストなのかもしれない

 

2人目

男性 独居独身子供なし

以前脳梗塞を起こし、軽く半身不随だが判断能力はしっかりある 伴が生活サポートをしてきた

2年ほど落ち着いた生活を送ってきたものの、急にふらっとしたり、意識が遠のいたりするようになり

検査の結果、脳梗塞の再発で急に入院治療することになった

脳梗塞の影響からか、以前に比べて物覚えや理解力が低下しているが、判断能力はそれなりに大丈夫な様子だ

手術の同意書のことで病院から連絡が入る

遠方に住む姉に連絡をして手術同意を取りたいと言ってきた

そもそも手術同意は本人だけだ

実は、遠方の姉には、私も先に連絡している

案の上 何年も会っていないし、自分も高齢で自分のことで精いっぱい

何も協力もできないし、したくない 墓にも入れたくないと言われてしまっている

と病院側に伝えた この兄弟関係は実は複雑であることは伏せている

担当者は、本人の判断能力も甚だ疑問だし 後見人もいないので親族にサインをもらいたいと繰り返す

そもそも手術同意は本人しかできない 当の本人はそれくらいは完全に理解できる状態だしサインもできる

それなのに、拒絶されている遠方の高齢の姉に手術の同意とサインをもらう意味はあるのか?と切り込んでみた

なんと、病院のマニュアルに添った対応をしているだけ と言い出した

ではもし、その姉が、手術しないで放置してくださいと言ったら従うのでしょうか

 

3人目

女性 独身独居子供なし

自宅で倒れているところを発見され救急搬送される

当初親族が分からず、病院側が必死に探した(自宅にあった年賀状の束から親族の連絡先をみつける)

なんと北海道と台湾に住む甥と姪が、かけつけてきた

昔世話になっていたと、甲斐甲斐しく奔走し、帰るまでの短い間いろいろ段取りをしてくれた

とはいえ、その後近くで動くことができないので、代わりに伴が手足となることになった

容態も少し落ち着き急性期病院から療養型の病院に移ることになった

転院に際し、身元保証人、身元引受人は北海道の甥がサインする

入院費の支払も甥が行う 手続きは遠方とはいえ万端だ

ご本人はなんとか一命はとりとめたものの、意思判断能力はほぼ皆無な状態である

転院先の医師が言い出した

後見人を付けてください、本人の意思はないし、当然である

そりゃそうだが

後見申し立てるには時間もかかるし簡単ではないし、後見人がつくまで何か月もかかる

数週間前は危篤で葬儀の相談もしていたくらいだ

療養型の病院への転院は、急性期病院から強引に出されたと言っても過言でない

回復するか亡くなるかもまだ分からない状況だ 遠方からしっかり親族が対応しているのに

そして、もしもの時は、近くの伴が手足になって動くと言っているのに

それでも後見人を申立てるのは普通と強要してくる医師

手術同意書のサイン、療養型病院での長くなる医療費の支払、もしもの時の引き取り責任

病院の心配事はそこだろうと感じずにはいられない しわ寄せは病院だからだ 気持ちは分からないでもない

遠方の甥姪では病院側も安心できないのだろう 残念だが信用してくれていない

ということで、こちらも信用できない病院となってしまうことになるのは仕方のない流れだ

 

今後増々、独身独居子供なし 遠方の親族 自分も高齢親族も高齢そして認知症 親族いない という生活者は増えるということは容易に想像できる

後見人と親族ありきの病院の受け入れ態勢は、今後どうなるのだろうか

追いつかない状況になるのは目に見えるが、

何もできないもどかしさの中、今は元気な独居高齢の方の生活支援を続けるしかない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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